手動式レンズクリーナー誕生ヒストリー
オーディオメーカーが、5億円の経費を削減するために考案した業務用クリーナー
2003年、オーディオ・カーナビなどを製造するある国内大手メーカーは、年間5億円にものぼる経費に悩まされていました。
その経費とは、1年間の保証期間内に発生するカーオーディオの無償修理代。
1台のプレーヤーを無償修理するには、
- ディーラーで一度プレーヤーを取り外す
- メーカーへ送って分解・解析・修理
- ディーラーで取付け
と、このように多くの作業工程を経るため、膨大な費用が発生していました。
メーカーは修理代を削減すべく、そもそもなぜ修理が必要となってしまうのかを調査しました。
するとその結果、90%以上がピックアップレンズ表面の汚れが原因の読み込み不良であることが判明したのです。
手動式レンズクリーナーを使っただけで、9割以上の不具合がその場で解消
膨大な経費を削減するために、技術陣が奮起し、試行錯誤の結果たどり着いたのは手動式のレンズクリーナーでした。
従来の自動回転式レンズクリーナーでは落としきれなかった汚れも、手動式ではピンポイントでレンズにブラシが当たり、しっかりと落とすことができたのです。
このクリーナーを各自動車メーカーのディーラーへ配布し、プレーヤを取り外す前にまず、クリーニングをしてもらったところ、9割以上がその場で不具合が解消する結果となりました。
このクリーナーのおかげで、年間約5億円もの無償修理代が、なんと1%の5百万円へと激減し、会社に多大な貢献をすることとなりました。
手動式レンズクリーナーはこのように業務用として開発されたため、使用方法が難しく、長らく一般には市販しておりませんでした。
その後、一般ユーザーにもご家庭でご使用いただけるよう、改良を加えて完成したのがこの、手動式レンズクリーナーH-LC1なのです。